「函館学2019」第3回講座を開催しました。

今年度,第3回目のキャンパス・コンソーシアム函館の合同公開講座「函館学2019」を,10月19日(土)に北海道教育大学函館校で開催しました。
「化石から探る道南の森林の歴史」というテーマで,北海道教育大学函館校の紀藤 典夫教授に講義をしていただきました。

 

道南の森林は,ブナ,サワグルミやトチノキなど暖かい地方の樹木が分布しているが,北海道に特徴的なエゾマツは生育しておらず,トドマツも生育が限られている。東北地方との類似性が高い地域となっている。
汐泊川の河口の先にあった火山の噴火により,軽石や火山灰が堆積しその層にある植物の化石の調査から,第四紀(250万年前)の寒冷期期では,エゾマツやトドマツ,現在北海道に分布していないグイマツが生育していたことが分かった。また,横津岳周辺の調査で,約6000年前以降の地層からブナの花粉が見つかった。ブナは,この頃から函館近辺に生育し,その後ゆっくり北上して,黒松内が現在の北限となっている。ブナがどのようにして道南に移動してきたか現時点では分かっていない。
1. 海岸にブナが生えていないことより,海から流れ着いたものではない。
2. 遺跡からブナが発掘されていないことより,人が運んだものではない。
3. 種が実る時期に鳥は北から南に渡るため,鳥が運んだものではない。

など,道南の地層の調査から分かった貴重なお話をして頂きました。
参加した約50名の受講者は,最後まで,熱心に聞いていました。

「函館学2019」は,この講座で閉講となりました。多数のご出席を頂き,誠にありがとうございました。来年度も函館学を開講致しますので,よろしくお願い致します。