【ビジネスコンテスト受賞】未来大&教育大の有志チーム「ミライbot」にインタビュー
教育
未来
2016/11/18
社会人メインのビジネスコンテストで函館の学生チームが活躍!
2016年10月12日(水)、日本最大の技術開発推進機関NEDOと北海道経済産業局主催のピッチコンテストが札幌で開催されました。
北海道から世界に羽ばたく起業家を発掘するこのコンテストで、公立はこだて未来大学(以下未来大)と北海道教育大学函館校(以下教育大)の学生が結成したチーム「ミライbot」が審査員特別賞を受賞。
応募者のほとんどを社会人が占めたという中、書類選考を経て本選に勝ち残り、見事受賞した学生たちに興味津々の我々編集部。早速話を聞いてきました!
チーム「ミライbot」ってどんな人たち?
ミライbotのメンバーは未来大の矢野さんを中心とした4人チームです。
左から
- リーダー:矢野颯太さん(未来大)
- エンジニア:増田俊作さん(未来大)
- デザイナー&エンジニア:乗田拳斗さん(未来大)
- デザイナー&広報:中村美稀さん(教育大)
どんなビジネスプランで受賞したのか、大学の垣根を越えてどんな経緯でチームが発足したのか、ミライbotとは何なのか、じっくり聞いていきたいと思います!
チャットbotを使ったインバウンド向け次世代会話ツール「mirai bot」
編集部:この度は受賞おめでとうございます!まずは今回受賞したビジネスプランについて教えて下さい。
矢野:まずはじめに、外国人観光客の方へむけて現場やWebサイトだけでは旅行者に対する十分な情報やサービスの提供ができていないという課題に着目しました。そこで考えたのが、LINEやFacebookのmessengerなど身近なチャットツール上で動き、自国語で質問に自動応答する仕組みです。
チャットbotを活用した訪日外国人向け問題解決サービス、それが今回の「mirai bot」です。
編集部:サービス名がチーム名でもあるんですね。矢野さんが今回企画発案者ということですがどのようなところから着想を得ましたか。
矢野:常々新しいことを企画したいと考えていました。そんな時にfacebookやLINEなどでメッセージAPIが公開されて、これらを使って何かできるかもしれないと感じたのがきっかけです。「mirai bot」によって日本語に馴染みのない訪日客の方でも情報の取得やサービスの予約などを実現できます。
観光都市である函館にもマッチすると思いました。
編集部:函館の街の特性を活かしたビジネスプランですね。函館へはどんな思いがありますか。
中村: 私は大学への進学を機に函館へ来ましたが、函館が大好きです。住み良さ、食べ物、人、街並み、どれをとっても素晴らしい街なので、今回のような企画を通して函館の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。
チーム結成のきっかけはアルバイト
編集部:ピッチコンテストは投資家や成功を収めた起業家の前で、ビジネスプラン発表やデモ展示を行うことで今後のビジネスチャンスをつかむ、ということが目的とされていますね。
皆さんが今回のイベントに参加したきっかけはなんだったんですか?
増田:実は全員アルバイト先が一緒なんです。IT企業でアルバイトしてるんですが、そこの社長がバイトにもいろんなことやらせてくれる人で。
そのうちバイトメンバーで何か作ろうっていう話があがって、夏休みに集まった有志がこの4人。その時に矢野が持ってきた企画が今回のbot案だったんですが、その時作ろうとしてたものとはちょっとちがうってなってなって。そんな時に、このコンテストになら良いんじゃないかとバイト先の人が紹介してくれたんですよね。
編集部:ではむしろこの企画を生かすためにコンテストに参加したんですね。
乗田:はい、矢野さんが発案した企画はこのコンテストに合っていると思ったし、僕はビッチコンテストという名前にも惹かれて(笑)蓋を開けてみたら大変な思いを・・・
増田:ピッチね(笑)徹夜してたもんね、前日ギリギリまで(笑)
編集部:その乗田さんの資料はとても高評価だったとうかがいました。
乗田: 資料作成担当は僕ですが、話の流れは増田さんと矢野さんが作ってます。良いものができたと思うので、発表する場があればどんどんしていきたい。資料作成のスキルはしっかり身になったと思うので、次に作る時は今回ほど時間をかけずにさらに良いものができそうです。
準備期間に感じた手応えとチームワーク
編集部:準備期間2ヶ月とうかがいましたがどのように進めていきましたか。
増田:夏休み中に予選があったので普段はチャットで連絡を取りつつ、2週に1回集まって打ち合わせをしていました。応募のための資料作成をしたり、函館市内でサービスのターゲットになりそうな店舗へヒアリングしたり、企業の人に意見を求めたり。そんな中でこれはいけそうだと手応えを感じるようになっていきました。
中村:ラインのグループトークで会議をしたのも楽しかったですね。話し合いの際には皆リラックスして各々の意見を出し合えていたと思います。
乗田:予選を通ってからは本線のための資料作成が始まって、2週間くらい集中してやりましたね。本線からは運営の日本総研さんからメンターがつくので、ビジネスプランの甘さを指摘されたり発表用の資料について助言をもらったりと勉強させてもらいました。
矢野:発表内容は本番直前まで改善を続け、発表練習は当日に会場近くのカラオケボックスで行って、万全の状態で発表に参加しました。リーダーという立場は初めてで、できるだけ自分でやろうと思っていながらも時間を確保するのが難しい中、助けてくれたメンバー全員に感謝しています。
札幌で行われた本選、当日は緊張、受賞、そしてラム肉!
編集部:札幌まで遠征したコンテスト当日はどうでしたか。
矢野:イベントの雰囲気が想像していたのと違っていて戸惑いましたね。
増田:当日の会場は100人満員御礼で、スーツの人が多かったから学生はややアウェイでした。でも会場がライブハウスだったこともあってガチガチな感じもしなかったので自分は思ったより大丈夫でしたね。
中村:私はプレゼンターをやらせてもらったのですが、他のグループの方々のプレゼンがすばらしくて圧倒され、とても緊張していました。
矢野:自分が質疑応答で登壇した際は、中村さんがしっかりプレゼンしてくださった後で、スライド操作などもチームに安心して任せれたので、緊張することなく話すことができました。
乗田:コンテストが平日で授業に出席できなかったので、その分受賞にはかなりほっとしましたね。
あ、終わった後、打ち上げでみんなでラム焼き肉めっちゃ食べたのもたのしかった(笑)
増田:店あらかじめ予約してあったからね!(笑)
未来への糧となる経験
編集部:今回のことは皆さんの中でどんな経験・学びになりましたか。
矢野:今回の活動を通して、ニーズ調査や計画の立案、メンバーとのやりとりが自身の糧になりました。くわえて函館の観光の現状の一部を知ることができたのはとても良かったと感じています。
中村:顧客の立場になって必要なことを考える、ということを学びました。これは今自分が目指している職業でも活かせると思っています、良い経験をしました。
増田:学生のうちにビジネスプランを収益モデルまで深く考えられる機会を得られたのは貴重な体験でした。現実的なサービスをもとに、というのも大きいと思います。
乗田:ビジネスが生まれる過程を辿りながら、人に表現する、魅せる方法手段をスライドや資料から学ぶことができました。いろんな方からデザインに対するお褒めの言葉もいただけて、やりがいも強く感じました。
おまけ『未来大生と教育大生、お互いの印象って?』
編集部:中村さんは唯一の教育大生ですが未来大生との共同作業にはどんな思いで参加していましたか。
中村:1年生の時からずっと未来大生は探求心、向上心があると思っていました。興味のあることはひたすらに突き詰めないと気が済まない人が多いというか。 今回は自分が足手まといにならないか不安もありましたが、仲間として一緒に活動できたのは嬉しかったです!
乗田:自分、未来大生からみた教育大生は・・・人間性の塊ってイメージっすね。
増田:ちょっとまって、未来大生は人間性うしなってんの?(笑)
乗田:言い直すと、文系の学生が多いので教育大は読解能力が高くて、様々な視点から物事を見ることができる、というイメージがあります(笑)
増田:なるほど。実は野生の教育大生みたことないんだよなー。
編集部:野生!?中村さんは!?
増田:中村さんはバイトが同じ仲間だから野生じゃない(一同笑)
準備から本番までの間、大変なこともたくさんあったはずですが、今回のインタビューは終始和やかで明るい雰囲気でした。
理系の未来大と文系よりの教育大、お互いを尊敬する姿勢と、チームメンバーへの感謝の気持ちが伝わってきて、聞いている側も温かい気持ちになりました。
最後にリーダーの矢野さんが、
「将来はみんなができそうでできないことを、できることに変えていく仕事をしたいと考えています。」
と話してくれたのが印象的です。
今回の「ミライbot」は函館には向上心の強い魅力的な学生たちが沢山いると思わせてくれる素敵なチームでした!