北海道の水産業・畜産業はそれぞれ持続性に問題を抱える。道南で盛んなコンブ養殖では根株や先端部などの未利用部位が大量に廃棄され、多額の処理費用が計上されている。一方で家畜生産現場では、近年の飼料価格の大幅な高騰や、牛や羊などの反芻動物が排出するメタンガスによる環境負荷が問題となっている。北海道積丹町の農場では生産過程で間引かれるコンブを羊に与えたところ、羊が元気になり、肉質が向上したという。これは、メタンガス排出に起因するエネルギー損出が低減したことや、海藻に含まれる豊富な栄養素を摂取したことによると考えた。そして、褐藻類の摂餌が羊の成長に与える影響を調べるため、海藻試料による動物実験を計画した。北海道の基幹産業である水産・畜産業の課題の解決を図り、メタンガス抑制・タンパク質不足解消・飼料自給率の向上・飼料高騰対策を可能とするサステイナブルな家畜生産への道筋をつける。
チーム紹介
SEAP
【北海道大学水産学部】
辻井 豪佑